2009年11月1日日曜日

左利きの脳科学について

 脳科学は左利きをどう見ているのか、関連することを私の知る範囲でまとめてみます。この分野の書籍はかなりありますが、私の読んだのはそのごく一部です。

1 左利きと右利きでは、関与する脳の半球が異なり、左利きは右脳、右利きは左脳に関連する。

2 右脳は、簡単に言うと、イメージ能力で総合的な認識機能になり、右脳は、論理能力で分析的な認識機能になる。ただ、機能が左右の脳に局在することだけですべての脳の活動を説明できず、欠けた機能を反対の脳が代償的に働くこともある。

3 左利きと右利きでは、脳の働きはどうなるかということでは、『脳の探検』(ブルーム著、講談社、1987年)に、「和田テスト」という実験が紹介されていました。

 被験者に発話をしてもらって、そのときに、左脳と右脳を順番に麻痺させて機能させないと、発話にどう影響するかというものです。

 そこで、複数の被験者で実験を繰り返した結果、右利きの95%は、左脳で発話と言語をコントロールしていて、5%が発話は右脳でコントロールされていることが分かった。

 左利きの場合、70%が、右利きと同じ様に、左脳で言語がコントロールされ、15%が右脳で発話していて、15%は両方の脳が発話をコントロールしている。


 興味深い結果ですが、この実験から、左利きの人間はどう受け止めたらよいのか。左人間の30%(ウィキペディアは30~50%)は、発話のとき右脳を使っていることになります。右脳は左手が関与しているところです。

 しかし、われわれのように、左文字を検討する場合、この分類はどこまで意味があるのか分からないところがある。左人間は、矯正されない限り、左手を使いたいので、この点では右脳と関係しますが、書字行為は、言語に関する脳の部位のちがいだけでは説明できないと思われます。

 脳科学は、私の読んだ範囲では、まだまだ発展途上の科学で、これから解明されなければならないことが多い、とのことです。左利きの脳科学についても同様ではないかと思われます。


 左人間が文字を書く場合、普通は右手でも、左手でも、右文字を書きますが、そのことは脳に負担を与えないか、と疑問を持ちます。永い訓練で、特に違和感のない人が多いかもしれませんが、それでも完全な満足感はないのではと思われます。

 脳科学的にみて、左利きが使うには、左文字と右文字(普通の文字)のどちらがよいかを考える場合、言語機能だけでなく、脳の運動をコントロールする機能について見てみる必要がある。 私の調べが不足しているところですが、右文字を書く場合と、左文字を書く場合で、脳にどんな変化があるのか知りたい。書字行為の本質を理解したいのです。