2010年2月23日火曜日

左文字のすすめ②

左利きの人間が文字を書くこと〉 

  ひらがなや漢字はシステムとして右手で書くように、歴史的に形成されてきた。世界の言語を見ても、文字は右手で書くようにできている。言語は主に左脳の機能なので、右利きの人間によって作られ、発展してきたものだろう。

しかし全国民が使うようになったということは、当然左利きの人間も含まれ、彼らも毎日のようにさまざまな目的で使うようになった。

一般に、右利きと左利きは、九対一の割合で存在するといわれるが、文字使用の場合、この多数対少数の割合は認められず少数は無視され、全員右利きとして扱われてしまった。

本来、社会システムは人間のために作られるが、漢字システムは右利きの人間に合わせて作られたので、左利きの場合、人間のほうがシステムに合わせなければならなくなった。

しかしこれは不合理ではないだろうか。とくに現在では脳科学が進歩し、左利きは単に所作や習慣の問題でなく、脳の構造に関連していることが明らかになっている。利き手は利き脳で決まり、男女の脳の違いのように、脳の機能的に違うものだ。質的に異なるので、量的に扱うと不当になる。

 

左利きの人間でも、矯正されて右手で書く人と、左手で書く人がいる。矯正されて右手で書く人は漢字の書き方は適合するが、利き脳の右脳との関係にねじれがあり、機能的に不完全になる可能性があって、やはり上手く書けない。左手で書く人は利き脳との関係は合うが、文字を反対に書かざるを得ない。結局、右手で書いても、左手で書いても、問題があることになる。